イアン・ベーカー・フィンチ



みなさんはIan Baker − Finchをご存知ですか。

彼は1991年の全英オープンチャンピオンで、日本ツアーでも一時プレーをしていました。
現在彼はアメリカABCテレビのゴルフキャスターです。
今週のソニーオープンの解説も彼がしています。
私の大好きな解説者の一人でもあります。

先月号のゴルフダイジェスト(米版)にも彼についてのインタビューが 載っていたので少し紹介します。


彼の知名度は全英オープンチャンピオンという以外にもうひとつ有名になった話題の持ち主です。
それは1994年から97年にかけて32試合連続の予選落ち記録を作ってしまったんです。

91年に全英オープンに勝ったあと、10年シードを獲得してから彼はスイング改造に取りかかりました。
メジャーに勝ったにもかかわらず、なぜか彼はそのときのスイングが好きじゃなかったそうです。
今彼が当時のスイングを振り返ったらなかなかいいスイングだったと思えるらしいんだけどね。
ところがそのスイング改造によって、もともとは調子が悪ければ右にしかまがらなかったのが
改造をすることによって悪くなると右にも左にも曲がるようになってしまった。
そして、徐々に自分のスイングに自信が持てなくなっていった。
スイング改造において、あるひとつのポイントにこだわって改造に取り組んでいたらしいのだが
それにこだわって改造を続けていけばいくほどスイングはおかしくなり
取り返しのつかないところまでおかしくなってしまった。

そして、とうとう97年のTroonでの全英オープンでは92をたたく屈辱まで味わい、
とりあえず、競技に出ることをそろそろやめたほうがいいのではないかという考えにまで至ってしまった。

彼が絶不調の最中、スポーツ誌の1面の記事になったことがある。
それは93年のコロニアルオープンの13番ホールでティショットを引っ掛けて池に 入れてしまったとき、
彼はその水の中からボールを打つ決意をしたが、
そのときはいていたズボンを泥だらけになるのがいやだったのでズボンを脱いでパンツ1枚になって水からのショットをした、
そのときのパンツ姿の写真が新聞の1面に載ったんだ。こんな記事でしか彼のことを知ることができなった。




以上、記事から


私が96年頃のオーストラリアの試合に出たとき(おそらくキャノンオープンだった)
その試合の前夜祭でイアンが「今年の目標は何ですか」というインタビューに答えていたのを聞いたんだけど、
そのときの彼のコメントは今でも記憶に残っている。彼は連続予選落ちの最悪の状態にいた。

「みんな私には予選通過をすることがとりあえずの目標だと答えてほしいんでしょうけど
私の答えはオーストラリア人として初のマスターズチャンピオンになることが私の目標です。」
と彼が答えたら、会場から大拍手が沸き起こったのを覚えている。

ずーっと予選落ちが続いている状況で、マスターズのチャンピオンを目標としていると言えるのは
やはりメジャーを勝つだけの選手であって、どんな状況でも目標を高く持っているんだなと感心して聞いたのを覚えている。

今年で彼は45歳。以前のゴルフの不調からは脱出しているようだが、今はツアーには出ていない。
50歳からシニアツアー出場をねらっているそうだ。

ちなみに今週のソニーオープンでは彼がメインコメンテーターを務めている。
彼のコメントは、一度ゴルフの怖い部分を味わっているので解説もすごく選手思いで
むやみやたらに選手の批判はせず選手にやさしいコメントをする。
私の好きなコメンテーターのひとりです。

彼がまだ日本のツアーに出ていたころ、倉本昌弘と優勝争いをしたことがあり
倉本昌弘が優勝したときのコメントで「あんな足の長いかっこいい奴には負けたくなかった」と言っていたのを今でも覚えている。
そんなかっこいい彼の姿を放送席ではなくコースの上でもまた見たいな。





(REXのブログ ”フロリダ☆ゴルフライフ” 2005/01/15 より)


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